ビジネスクラスに乗るのは損?

講義でエアバスの人の話を2週連続で聴く機会があった.

専攻が航空なんで,技術的な話は全然目新しくなかったけど,

なぜA380は大型なのかという話はなかなか面白かった.

ボーイングの新型B787がなぜ中型機なのかというと,これからの航空機需要では

各都市のグローバル化によって,地方空港⇒地方空港っていうPoint to Point方式が

多くなるという予想したからで,対するエアバスは,

地方空港⇒ハブ空港ハブ空港⇒地方空港っていうHub and Spoke方式が主流になると思い,

ハブ空港間の輸送に用いられる大型機としての新型A380を開発したらしい.

ここまではニュースとかに詳しい人なら知ってるかもしれないけど,

A380が大型なのは,

・ジャンボジェットの愛称があるB747の退役を見越してだとか,

・カンガルー路線っていう,ヨーロッパ⇒中東(アジア)⇒オーストラリアを通る大動脈があって

 そこではハブ空港化が進んでいるが,よりコストを削減するため一路線あたりの旅客数を増やしたいから,

 シンガポールエアラインとかエミレーツ等が大型機を要求していたとか,

・航空機のキャビンはだんだん快適になってて,そのためにはただ単に広い空間が必要だとか,

エアバスとしては大型機を作ったことがなくて,大型機を作ることにより

 初めてボーイングと肩を並べると思った

とか,細かい話も聴くことができた.

ちなみに,Hub and Spoke方式の方が不況には強いそうだ.

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あと面白かったのは,ファースト,ビジネス,エコノミーの各クラスがあるけど,

ビジネスが収益の40%以上を占めてるという話だった.

エコノミーはお金をかけたくない人用として存在する理由がある.

じゃあ,ファーストってなんなん?って思うかもしれないけど,

ファーストにはお金も地位もあるような人が乗るから,その人の取り巻き4〜5人が

ビジネスに乗るかもしれないってことで存在してるらしい.

エアラインの立場からすると,お客さんがビジネスクラスに乗れば儲かるってことは,

逆に客の立場からすればファーストorエコノミーに乗った方が

いいのかもしれない.(あくまで(サービスの原価)÷(料金)の大小で考えると)

あと,ビジネスクラス席数ばっか増やして収益率を上げようとしても,

リーマン・ショックとか不況時ではビジネスからエコノミーに客が流れるらしく,

待遇のいいエコノミークラスも用意しているエアラインじゃないと生き残れないらしい.

まさにポートフォリオ